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 人によって求める空間は違います。当事務所では打ち合わせを重ねながら理想の形をすまい手と一緒に追求していきます。その際に重要なツールとして模型を用います。図面だけでは伝わらない空間の広がりや雰囲気をお互いに「共有」することが重要です。建てた後で後悔してほしくないのはもちろんですが、私自身が模型を作りながら考えるので必要不可欠なプロセスといえます。 


ここでは模型によるスタディの一例として「くじらのいえ」を取り上げます。

↑1stプレゼンの提案資料です。本例は敷地内の1mの段差をどう考えるかがポイントでした。お施主様から「スキップフロアに興味があるとお伺いしていましたので段差を肯定的に捉えて計画をまとめています。

案の変遷

01.変形敷地、敷地内に段差が1mある非常に特徴的な敷地です。ヒアリングの際に「スキップフロアにとても興味がある」ということをお聞きしていたので段差を肯定的に捉えた提案をしました。

02.上下階も緩やかに連続しますし、とても可能性のある提案だと思います。僕自身もお施主様もとても気に入っています。しかしながら将来足腰が悪くなった時の不安が若干残ります。。。どんな案にも何かしらデメリットはありますが、そのデメリットを遥かに凌駕する魅力が無いといけません。

03.先ずは急いで内部を確認したいのでダンボールでラフ模型をつくりました。

04.大きな階段が非常に効いています。この方向性をもっと追求したくなりました。

05.精度を上げた模型をつくります。屋根の掛け方や開口部の位置を色々と検討しているのでかなり切り刻んでいます。

06.階段部分を特別な場所にしたいので本棚を設置しました。単なる上下動線で終わらせたくありません。

07.大きな模型を覗き込みます。小さな模型では見えなかった課題がどんどん出てきます。

08.一つの模型でさんざん検討し尽くしたら次の模型を作製します。それぞれの模型の縮尺や精度は目的に応じて異なります。役目を果たした模型は切り刻まれてボロボロにですが、意思は新しい模型に受け継がれて行きます。

09.今までの検討結果を整理するための模型を作成しました。これは施主にプレゼンするので素材感や色等を表現しています。*この模型を見てウチの子供が「くじらみたい!」。全く意識してませんでしたがそう言われるとそんな気がします。。

10.実際に建てる前に沢山の課題を発見し、お施主様と一緒に検討していきます。メリットだけでなくデメリットもきちんと説明してお互いに充分理解した上で進めて行きます。

11.特徴である階段を最大限に活かした構成としています。決してバリアフリーな家ではありませんがいろんな居場所がある豊かなすまいになりそうです。

12.お施主様に確認していただきさらに修正を重ねてようやく基本設計完了となります。この後実施設計に進みます。

完成写真



ご紹介したのは設計監理業務の一部にしかすぎません。この後の見積・予算調整、現場監理を経てようやく完成します。