■大村の2世帯住宅
僕の生まれ故郷である大村市にある2世帯住宅です。玄関、キッチン、風呂、トイレもそれぞれに設けた完全独立型の2世帯住宅になります。
実の親子とはいえ生活リズムの異なる2世帯が同じ屋根の下で生活するのは決して簡単ではありません。2世帯ならではの『安心感』や『助け合い』といったメリットを活かす事はもちろん、各家族の最低限のプライバシーを確保できる適度な距離感をいかにつくりあげるかが最大の課題でした。
約1年程かけて様々な案を検証していく中で、光庭を緩衝帯とする現在の案に収束していきました。お互いの距離感を調整し、室内に柔らかな光と風をもたらす空間です。
子世帯の和室は光庭を挟んでリビングと向き合う形になっています。他の部屋から独立した和室ですので敢えて床を20センチ程下げて他の室と差別化を計りました。視線が地面に近づく事で大地に包み込まれるような安心感が生まれ、とても落ち着ける空間となりました。
段差の無いバリヤフリーな住宅が当たり前のように求められるこの時代にあえて逆行するような操作ですが、適度な段差によって生まれる豊かさもあると思います。
光庭のベンチに寝そべると切り取られた自分だけの空を眺めることができます。遥か上空を行く飛行機や雲の流れを眺めながらゆっくりとした時の流れを楽しむ事ができます。
時間の経過とともに刻々と表情を変える光庭を中心に豊かな暮らしが営まれて行くことを望みます。
竣工写真
プレゼンテーション資料(一部)