■北向きリビングの家
○敷地の特徴
敷地は3方が道路に面した角地です。敷地北側のどこまでも続く青い空と、住宅街を少し見下ろすような景観が非常に魅力的でした。一方南側には見下ろすような形で隣家が立ち並んでいます。建物の配置計画がポイントとなりそうです。
○建物の特徴
庭とリビングをどう確保するか?が最も大きなポイントでした。通常ならば南側に庭とリビングを配置して北側に水回りを持ってくるのがセオリーでしょう。しかし敷地の南側には道路を挟んで3m程高い位置に隣家が立ち並んでいます。もし南側にリビングを配置するといくらお隣さんとはいえ上からの視線が気になってしまいます。それに北側の眺望も活かしたい。。。
そこで今回は思い切ってリビングを北側に設けることにしました。一般的にはあまり良いイメージのない『北側リビング』です。
南側2階の子供室の窓からだけでなく、トップライトや北側の大小様々な窓からの光が天井や壁で柔らかく拡散された結果、リビングは非常に柔らかい光に満たされた空間となっています。将来子供室を3室にした場合は南側からの採光は期待できなくなりますが、どうやらその心配もしなくて良さそうです。
○建築主の英断
この家は『大きな吹抜・ワンルーム空間・北側リビング』等、決して簡単な覚悟では踏み切れない要素があります。もちろん模型やパースによる慎重な検証やスタディの積み重ねがあってこその提案でしたが、何よりも建築主の理解と熱い思いなしには実現できなかったでしょう。
○その他のポイント
屋根の断熱は高性能スタイロフォームを用いた外張り断熱としています。(次世代省エネルギー基準をクリアしています)サッシはもちろんペアガラスです。
リビングとキッチンにはランニングコストの安価な電気式ヒートポンプ床暖房を採用しています。エアコンと連動制御なので効率的な運転が期待できます。
北から南に抜ける風を意識した計画的な開口部の配置により風の抜けを確保。夏の冷房代の軽減を目指しました。
*おおいたの住まい情報誌WISE19号に掲載されています。
竣工写真
プレゼンテーション資料(一部)