■別府の長屋
長屋形式の賃貸マンションの計画です。敷地の購入を検討されていたお施主さんから『この土地にはどんな建物が建てることができるのか?』という疑問に対して僕なりに出した答です。残念ながら敷地が『逃げて』しまい、実現することはありませんでしたが、集合住宅の可能性を考えるとてもいい機会になりました。
周辺環境や諸条件から『容積率・建坪率を最大限に消化した建物をなんとか詰め込む』ような建物は相応しくないと思いました。通常は回収率・利回りを第一に考えることがセオリーでしょう。しかしここではお施主さんの『他にはない価値観をもった』という言葉に後押しされた提案となりました。
建物は大きく2棟から成り、その間にアプローチテラスを設けています。テラスに面した各住戸からの光が柔らかに溢れ出でることにより優しい共有空間になると考えました。もちろん各住戸ともビルトインガレージからもアクセスできます。
通常の賃貸マンションにありがちな『鉄扉が規則的に並んだ金太郎飴』的なハコではなく、ほどよい外部空間と決して押しつけがましくない共用空間により住人同士の「つかず離れず」の関係がゆっくりと誘導できればと思いました。
プレゼンテーション(一部)